FXではエントリーをする為に成行注文というものがあります。
成行注文は、株式などでも最も使われている注文方法の一つです。
成行注文は、FXのチャート上の現在価格で、その瞬間にエントリーしたい時に使えます。
名前の通り、「この価格でエントリーをしたい!」というように価格を指定して注文する訳ではないので、通常は限りなく現在価格に近いポイントで注文が通ります。
限りなく現在価格に近いポイントで約定する(注文が通る)確率は、ほとんどと言って良いですが、経済指標発表時などで価格が乱高下している時などは注文をした価格よりも離れた(動いた)ポイントで約定する事があります。
また、FXにはスリッページというものがあり、成行注文で現在価格でエントリーをしようとしても、微妙にズレた(スベった)ポイントで約定する事があります。スリッページ自体は、許容できるレベルを設定出来るFX会社が多いのですが、許容範囲が狭いと注文が通らない場合があります。
実際に成行注文を出そう!
成行注文を使って、エントリー・決済が出来ます。
では、実際にDMM FXのチャートを使って成行注文をしてみましょう。
成行注文は私もよく使います。
これが、注文画面です。
FX会社によって成行注文の名称がクリック決済やストリーミング注文などになっているところもあります。DMM FXでも成行注文はストリーミング注文になっています。
注文をするときは、上の画面のようにドル/円「売 110.817」か「買 110.820」を押すことでストリーミング注文(成行注文)が出来ます。通常は、注文が通ったタイミングで約定(やくじょう)します。注文をした価格に限りなく近いポイントでエントリーをするかどうかは相場の状況によります。
相場は常に動いていますので、注文ボタンを押してから注文が通ったタイミングにはズレがどうしても生じます。ですので、想定していたよりも高い・または安い価格でエントリーする場合があります。
それを差し引いても、成行注文はほぼリアルタイムでエントリー出来るので使い勝手はかなり良いです。
もし、指定した価格でエントリーをしたい場合は「指値注文」が有効です。
必ずしも注文した価格で約定するとは限らない
成行注文は、注文した価格で約定する時もありますが、そうでない時もあります。
注文した価格よりもズレたポイントで約定する事をスリッページと言います。
スリッページは、一般的な言われ方ですとトレーダーにとって有利に約定する時もありますし、不利に約定する時もあります。
まずは有利に約定するケースを見てみましょう。
以下は有利にスリッページが働いた例で、買いで注文を入れた価格より安く約定をしたので、それだけ利益ゾーンが増えているパターンです。
有利なスリッページは、買いで注文を入れた後に、思ったより安い価格で約定する事で利益ゾーンが増えているのが分かりますね。
100.000円のところで約定するよりも、少し安いポイントで約定していますから、その後上昇した場合にズレて約定した値幅の分だけ利益が多くなります。
以下は、不利にスリッページが働いた例です。
買いで注文を入れた価格より高く約定をしたので、それだけ損失ゾーンが増えています。
100.000円のところで約定するよりも少し高いポイントで約定していますから、その後上昇した場合にズレて約定した値幅の分だけ利益が少なくなります。
このスリッページは、注文時に「◯◯だけスリッページが発生する場合は注文しない」といった感じで値を設定できるFX会社もあります。
この設定でスリッページをほとんど許容しない場合は、注文しても約定する確率が下がる場合があります。
相場が落ち着いている時は注文が通らないという事は滅多にありませんが、もちろん、大地震などの影響により、相場に異常が起きた場合は、スリッページの値が小さいと約定する確率が下がる場合があります。
私の場合は、多少のスリッページは経費の範囲内で、それよりもチャンスで約定しない方が機会損失が大きくなると考えているのであまりスリッページは気にしません。(スリッページの設定はしていません。)
また、雇用統計などの重要な経済指標発表時や、日銀政策決定会合時などの値動きが荒くなりがちな時間帯は、その機会自体は大きな利益が見込めるチャンスでもあるのですが、それだけリスクが高まる為に、初心者のうちは成行注文などでエントリーをするのは控えた方がいいかもしれません。
成行注文についてのまとめ
成行注文について以下にまとめておきますね。
①成行注文は、リアルタイムで注文を出す事ができる
②注文した価格に対して、高いor低い価格で約定する場合もある
③ほとんどの場合約定するが、重要指標発表時などでスリッページの値が小さいと約定しにくくなる場合がある
成行注文は、新規(エントリー)・決済時に、現在価格ですぐに注文を出す事ができるので、最も簡単な注文方法かもしれません。
ただ、重要な経済指標発表時などで相場変動で値動きが荒くなっている時にエントリーや決済をすると、かなりズレたポイントで約定する可能性が高くなります。
また、エントリー後に望まない方向へあれよあれよと価格が推移している時にも、成行注文では対応が遅れる場合があります。(その逆の大利を得る場合もありますが)
ですから、損切り(ロスカット)注文は必ず入れておく事がなにより重要です。
成行注文を入れたらすかさず損切り(ロスカット)注文を入れておきます。
成行注文を入れたら、すぐにIFO注文やOCO注文を入れておく事でこれらの対策が可能です。
最も重要な経済指標発表時にはスプレッドが広がるのが普通ですから、前もって相場変動を知る事ができる場合もありますが、この辺りを初心者の方は気をつけると良いと思います、
成行注文は、DMM FXなど、ナナトレ!でおすすめしているFX会社の全てで使う事ができます。
成行注文は、チャンスのタイミングですぐにエントリー・決済ができるので、私はそのメリットを生かしてトレードをしています。