酒田五法の三羽鳥(さんばがらす)は、上昇相場の天井圏での売りサインです。
三羽烏は、黒三兵とも呼ばれています。
三羽烏は、相場では比較的見かけるので覚えておくと便利です。

三羽鳥は、上昇相場が続いている中で、①陽線の後に②3つ連続で陰線が現れます。
1つめの陰線は、前回の陽線の終値よりも安値の方に位置します。
続く陰線は、前日の始値・終値を切り下げて下に位置していきます。
三羽鳥を意識する場面は、中長期であれば、1ヶ月以上の間上昇相場が続いている時、前日引けた時の価格よりも下回った時です。
私の経験になりますが、この三羽鳥は短期トレードでもよく見かけるものであり、売買判断のひとつとして有効です。
その後、陰線が3つ続けて現れると、ヘッジファンドや大口投資家・投機家などによる売り圧力が高まっている可能性があります。
つまり、価格が急落するかもしれないということです。
では、ここで三羽鳥が出現する実例を見てみます。
以下は、DMM FXのチャートです。
上昇相場において、陽線の後に陰線が3つ連続で現れました。
三羽烏を形成すると、トレンドが転換する可能性があります。
陰線の始値と終値を徐々に切り下げていくことで、市場参加者は弱気になり、その後投げ売りが始まる場合があるからです。
この時も三羽烏発生後に価格を下げていますね。
決済ポイントは、売り圧力が弱くなったタイミングです。
しかし、今回はポジションの一部は保有しています。
「利益が出たら、焦って利確をせずにじっくり待つことで大きく伸ばせる」という言葉は有名ですが、この言葉にもう少し付け加えると、「意味のあるエントリーポイントで利益が出たら、焦って利確をせずにじっくり待つことで大きく伸ばせる」です。
今回の場合ではこの三羽烏で思惑通りに利益がでた場合、それがトレンド転換の初動を掴めている可能性があるということです。
ですから、もう少しポジションを保有していきます。
すると、その後トレンドはしっかり転換して、さらに利益を伸ばすことができました。
決済ポイントはいくつかあり、トレンド相場に強い移動平均線などを組み合わせて決済のタイミングを判断するのは有効です。
移動平均線のクロスで決済をしたり、トレーリングストップを活用するのも良いですね。
一旦利益が出た後は、しばらく放置する事で、驚くような利益が出ることがあります。
さて、よくある失敗ですが、闇雲にポジションを保有して、なんとなくそれを保有するのとは全く意味が違います。
今回のように意味のあるエントリーポイントであれば、利益を大きく伸ばせる可能性があります。
いずれにせよ、思惑通りに進まない場合、ロスカットはできるだけ早く行ってしまうことをお勧めします。
三羽烏のパターンは、下降相場での戻り売りの場面でも見られます。
これと似ているチャートパターンが、「酒田五法 – 押え込み線」です。
押え込み線は、三羽鳥と違い、押し目買いの機会です。
三羽烏と上昇相場で現れる「酒田五法 – 押え込み線」はよく似ています。
押え込み線と三羽烏との違いは、
・押え込み線は1つめの陰線が前日終値よりも高い&陽線となっている
・三羽烏は、1つめの陰線が前日の終値よりも下に位置している
というところで異なっています。
参考 → 酒田五法 – 押え込み線