◯月11日
「今日は上昇しそうだから買いだと思う、買いでエントリー!ロスカットも設定したし、これでOK」
→ 結果的には上昇したが、一時的な下げでロスカット。負けトレードとなった上に、呆然と勢い良く相場が上昇していくのを見るしかない。
◯月12日
「昨日はかなり上昇したなー。予想通り買いでエントリーしたのに、ロスカットさえ設定していなければ予想が当たってたのになー。悔しい。今日は…地合いが悪そうだな、よし、ここで売りでエントリーをしよう、ロスカットのせいで大利を逃したんだからロスカットは設定しないでいこう。多分大丈夫だろう..」
→ 予想は外れ、さらなる上昇をした。ロスカットを設定していなかったので含み損が拡大し、泣く泣く決済。
◯月15日
「先日は2日連続で負けたなー。これに懲りたから、今日はロスカットを守ろう。今日は…地合いが悪そうだな、前回はこの雰囲気で売りでエントリーをしたけど、今日はその逆で買いエントリーだ!」
→ 当初の予想通り下落する展開に。
「もう何も信じられない!きっとロスカット狩りやFX会社が負けるように仕組んでいるとしか思えない!!」
・・さて、どうでしょうか。
結構、多くの初心者の方が経験するトレードが連敗するパターンですね。
今まさにこのような状況にハマってしまっている方の気持ちも良くわかります。
トレードはそういう失敗を繰り返して成長するものですから、その失敗が何故起こるのか、落ち着いて一緒に考えていきましょう!
案外、原因は単純なだったりします。
ロスカット狩りやFX会社のせいではないという認識が第一に重要
このように、11日や15日の例でエントリーをして思惑通りに相場が動いても負けてしまう時、真っ先にロスカット狩りのやFX会社が負けるように仕組んでいるのではないかと疑ってしまう方は多いです。
本当にそうなのでしょうか。
事実として、この重要なポイントで下げそうだ、上げそうだというようなポイントで値動きが荒くなりやすいです。
そして、11日や15日のようなパターンを体験している方は、実際にそのエントリーをしたポイントがなかなか良い場所で、想定した方向も合っていたはずです。
つまり、しっかりとエントリーポイントは抑えられているという事です。
それでも負けるというのは、どういう事か。
そういう重要なポイントでは非常に多くのトレーダーの売り買いが交錯している所なので、いわゆるノイズのようなものが発生しやすくなります。
こういう単純な売り買いの交錯で値動きが荒くなる事をロスカット狩りと叫んでいる方がいますが、そういう事ではないんですよね。
そうではなくて、その重要なポイントでは値動きが荒くなるという事実を知らないでエントリーする場合が多いです。
むしろ、重要なポイントだと考えてエントリーをしたのに値動きが荒くならないでさらっとロスカットになってしまうなら、それはそもそも重要なポイントではないという事です。(結構重要な話です)
では、この重要なポイントで上手に勝つにはどうしたらいいか。
だいたい、適切(であろう)エントリーポイントが、適切ではなく、ずれているだけだったりするので、まずは、その相場で想定される下値or上値が自分の設定するロスカットラインを超えてしまっていないか、という点を考慮します。
「買いでエントリーをしたいけど、少し前じゃないと自分のロスカットラインを想定した下値が超えちゃうなー」
という時は、タイミングが少し遅いという事なので、エントリーを控えるのも手です。
もしくは、その荒い値動きを抜けて、ブレイクするなど、安定して上昇してきたポイントで買いエントリーをするのもOKです。
後者は利幅が狭くなりがちなのと、必ずしも上昇を続けるとは限らないので、いずれにしてもロスカットを設定します。
そもそもドル/円などの為替は、圧倒的な流動性があるので、流動性が低い株で誰かのちょっとした資金で急激な値動きが起こるという事はありません。
もちろん、圧倒的な流動性で、圧倒的な資金力を持つヘッジファンドなどが仕掛けてくる事はあります。
ただ、それ自体は、それを含めて相場なので、実は難しい問題ではありません。
これはその事実を認識しているかがポイントです。
なので、FX会社が負けるように仕組んでいるのではないかというのは、相場の性質を考えれば、すぐ分かるはずです。
1日のFXの取引高は5兆ドル=500兆円を超えます。
日本の1年間のGDPが500兆円程度です。たった1日で日本のGDPを上回る取引高がFXの規模の大きさです。
さて、ロスカット狩りにやられた!FX会社のせいだ!と考えるトレーダーには、恐ろしい反動があります。
トレードは「完全な」自己責任の世界
トレードは「完全な」自己責任の世界です。
これが、一般的な仕事とは大きく異なる性質の一つです。
ロスカット狩りにやられた!FX会社のせいだ!と考えるトレーダーは、実際は単純な技術不足なのに、負けたトレードの現実を、どこかに責任転換するという心理が非常に働きやすくなります。
これは、不思議な事ではなくて、古来より自己を守る為のまさしく本能が働いているからです。
なので、それ自体は気にする必要はありませんが、自らを正してトレードは完全な自己責任でやるものだという認識を改める必要があります。
「負けトレードの原因が自分にあると気づけない=自己責任の認識がない」だけで、トレードは本当に勝てなくなります。
これは、どのような人生を送ってきたかで、自己責任の認識をすぐに実践できる人と、少し時間がかかる人がいますが、必ず出来るようになります。
ここでは、重要なエントリーポイントでは値動きが必然的に荒くなる傾向にあるという事と、トレードは完全な自己責任で臨む必要があるという事を覚えておくと良いですよ。
エントリールールは守る
エントリールールを守るだけで勝率が上がる方も多いです。
◯月11日
→ 買いエントリー後、結果的には上昇したが、一時的な下げでロスカット。
これは、エントリーポイントの調整でOK。それ以外はルール通りなので問題なし。
◯月12日
→ ロスカットなしの買いでエントリーをしたが予想は外れ、さらなる上昇をした。ロスカットを設定していなかったので含み損が拡大し、泣く泣く決済。
これはロスカット厳守というエントリールールを破った為に負けた典型的な例。確率の問題でもあるので、ロスカットは必須。
◯月15日
→ 連敗し、本来なら売りでエントリーをするポイントで買いで入り、ロスカット。当初の予想通り下落する展開に。
ロスカットは設定したが、上手くいかない日が続いてエントリールールを破ったり変えてしまう方は多いですが、一貫性がある方が相場は勝ちやすいです。(あくまで個人的な経験によるものです)
それから、自分を信じるという事は、15日の例のような、こういう局面で重要だったりします。例えそこで予想が外れてもエントリールール通りであれば、実は利益を出すより精神的な負担は軽かったりします。
私の場合、含み益を抱えている時の方が精神的な負担が大きいケースが多いです。
このように、「トレードは完全な自己責任」「エントリールール」を守る事で、結果的に思った通りに相場が騰がったのに、なぜか負けるパターンというのを回避しやすくなります。
こうやって紐解くと、とても明快ですね!
ちなみに、ナナトレで紹介しているFX会社は健全な運営をしている所だけですが、確かに悪質で実態が不透明なFX会社があるのも事実です。
そういう所では、不正な値動きや出金をさせないなどの違法な取引を行っている可能性が高いので、FXは必ず信頼できるFX会社だけを使うようにする事を強く推奨します。