ストキャスティクスは、比較的良く知られているテクニカル指標で、
オシレーター系に属します。
RSIのように、買われ過ぎ・売られ過ぎを視覚化する際によく使われています。
ストキャスティクスは、その扱いやすさから、投資・投機初心者から上級者まで幅広く用いられています。
ストキャスティクスの見方
まずはストキャスティクスをチャート上に表示させます。
以下は、GMOクリック証券FXネオのプラチナチャートです。

ストキャスティクスは、このように、
%K(赤色)・%D(青色)・Slow%D(黄色)
と、いうものを組み合わせています。
それぞれの意味は以下の通りです。
%K・%Dは動きの速いもので、Slow%Dは、動きの遅いものです。
%K・%Dは、ファースト・ストキャスティクスと言われています。
Slow%Dは、スローストキャスティクスと言われていますね。
%Kは、一定の期間の「最高値~最安値の範囲」で、最新の終値がどのあたりにあるかを見ることができる指標です。
現在値が最高値と最安値の真ん中であれば%Kは50になります。
%Dは、%Kを平均化した指標です。そのために、%Kよりもやや遅れてチャート上に反映されていきます。
%SlowDは、一定の期間%Dを平均化した指標です。
多くの投資家や投機家は、
%Dと%Kの2つの指標を使っています。
%Dと%Kの2つの指標でのトレードのメリットは、相場の動きに対して反応が良く、早い段階でエントリーをすることができます。
その分、ちょっとした動きでもすぐに指標が動くために、ダマシも多いのが欠点です。
これに対応するため、期間設定を長くしてダマシを減らしたスロー・ストキャスティクスを組み合わせます。
それが、先ほど見たチャートに表示れているものです。
では、ここからチャート上でそれぞれの指標を見ていきます。
以下は先ほど見たGMOクリック証券のFXネオプラチナチャートです。

繰り返しになりますが、
赤色線は%K
黄色線は%D
青色線はSlow%D
です。
基本的な値は、
%K=14・%D=3・Slow%D=3、%K=5・%D=3・Slow%D=3か、%K=9・%D=5・Slow%D=3
などが一般的です。
ちなみに、DMM FXではこのように表示されています。
DMM FXは%K=14・%D=3・Slow%D=3が標準で設定されています。
DMM FXは%K=14・%D=3・Slow%D=3が標準で設定されており、
黄色線は%D、青色線はSlow%Dですが、%Kがありませんね。
しかし、これは、GMOクリック証券FXネオのものとは違う計算式で表示されたものであり、これもスローストキャスティクスです。
最近はどのFX会社のチャートでも見やすくて、使いやすいので、どちらでも同じようにトレードをする事ができます。
3本線のスローストキャスティクスならGMOクリック証券FXネオ、2本線の方を使ってみたい場合はDMM FXを選択すると良いです。
ストキャスティクスは、最初にお話をしたように、売られ過ぎ・買われ過ぎを見るためのオシレーター系です。
チャート上では、ざっくりとこのように判断することができます。
以下はDMM FXのチャートですね。
基本は、RSIに似ていて、
75%~80%以上で買われ過ぎ・25%~20%以下で売られ過ぎと判断します。
もう少し緩くして、70%以上で買われ過ぎ・30%以下で売られ過ぎと見る
人もいます。
逆に売買サインを減らしてトレードの精度を上げるために80%・20%の組み合わせにするのも選択肢のひとつです。
GMOクリック証券のFXネオプラチナチャートではこのように判断することができます。
今回は、75%以上で買われ過ぎ・25%以下で売られ過ぎとします。
○売りでエントリーをする場合
この時、75%以上で値が推移している時は、
多くの人が買われ過ぎと判断をして価格が下がる可能性があります。
75%以上で価格が推移し、
かつ%Kが%Dを上から下に抜ける際に、売りでエントリーをします。
ここで、ダマシを減らすためにSlow%Dも判断材料にします。
%K・%D・Slow%Dいずれも75%以上で推移している時に、%Dが、Slow%Dを上から下に抜ける時は売りサインです。
価格が高値更新している場合に、%Kや%Dの値が前回の値を越えなかった時も売りサインになる場合があります。
これらの条件に合致するものが多いポイントでは、精度の高い売りエントリーポイントになります。
○買いでエントリーをする場合
この時、25%以下で値が推移している時は、
多くの人が売られ過ぎと判断をして価格が上がる可能性があります。
25%以下で価格が推移し、
かつ%Kが%Dを下から上に抜ける際は、買いでエントリーをします。
ここで、ダマシを減らすためにSlow%Dも判断材料にします。
%K・%D・Slow%Dいずれも25%以下で推移している時に、%Dが、Slow%Dを下から上に抜ける時は買いサインです。
価格が安値更新している場合に、%Kや%Dの値が前回の値を下回らなかった時も買いサインになる場合があります。
これらの条件に合致するものが多いポイントでは、精度の高い買いエントリーポイントになります。
ストキャスティクスはトレンド相場に弱い
ストキャスティクスは、一定の幅で価格が推移するレンジ相場は良く機能しますが、ひとたびトレンドが発生すると、ダマシが頻発します。
例えば、ストキャスティクスの指標は買われ過ぎと示していて、そこで売りでエントリーをしても、買い圧力が強くさらに価格を上げる、といった具合です。
上のチャートでも、上昇トレンドが発生している時にストキャスティクスが上に張り付いているのが分かります。
ですから、トレンド相場に対応するために、トレンドに強い移動平均線と組み合わせて判断するといった手法も有効です。
100%機能するテクニカル指標は存在しない
ストキャスティクスに限らず、すべてのテクニカル指標は過去に記録された価格の動きから計算されたものです。
つまり、現在から未来の価格の動きを100%予測することは不可能であり、ストキャスティクスはあくまでエントリーの判断の一助になるもの、という位置付けで使うことを強くお勧めします。