一目均衡表は、細田悟一さんという人が戦前に日本で開発をしたものです。
一目山人というペンネームで有名です。
一目均衡表の完成度の高さは、そのシステムの背景にある3大理論に支えられています。
一目均衡表は、その普遍的な理論があるからこそ、時代を越えて現代でも広く使われていると考えています。
一目均衡表の三大理論
一目均衡表の三大理論とは、時間論・値幅観測論・波動論のことです。
さっそく、これらをひとつずつ見ていきましょう。
時間論について
多くのテクニカル指標は、価格そのものや、価格の動きが主な要素となっています。
これに対して、一目均衡表というのは、「時間」という要素が含まれています。
価格がそこからどう動いていくか、一目均衡表を使うことで予測をすることができます。
一目均衡表では、9・17・26の3つの数字が使われています。
9、17(9×2-1)、26(9×3-1)
これが、基本的な数値になります。
数字自体に意味があり、相場と時間の関係を見ていく上で重要な要素です。
細田悟一さんが、長い年月をかけて得た経験によるものです。
つまり、開発者自身が感じ取った相場のリズムが、一目均衡表というツールで再現されているということです。
この数値が、雲を形成するための先行スパン1・2、遅行スパン、転換線と基準線に用いられています。
値幅観測論について
一定期間の価格の高値と安値の推移が値幅です。
値幅を見ることは、テクニカル分析では重要なステップですが、値幅観測論も一目均衡表には取り入れられています。
簡単な例を見てみましょうか。
現在日経平均株価が19,300円だとします。
そこから100円値上がりすると、19,400円になりますね。
すると、100円価格が上昇します。
これが値幅ですね。
そこから50円下落しました。
19,350円です。
価格の上下には、様々な要素が絡みますが、直近の価格を動かしたエネルギーは100円です。
この100円が、次に上昇する可能性のある値幅です。
19,450円になりますね。
トレンド中は、このような動きをすることも多々あるので、意識しておくと役に立ちます。
値幅を観測することで、次の価格の到達ポイントを考えることができます。
波動論について
波動論については、エリオット波動理論などもありますね。
テクニカル分析でも、アセンディング・トライアングル、とか、フラッグ、とか、色々なチャートパターンが分析に使われますが、一目均衡表でも波動論が取り入れられています。
波動論というのは、相場は上がったり下がったり(ランダムウォークという意味ではなく)波を形成しながら価格が推移していきます。
一目均衡表に関しては、以下の5つが有名ですね。
P波動、Y波動、I波動やV波動、N波動というものです。
これだけだとわかりづらいと思うので図にしました。

波動は、買い方と売り方により作られたエネルギーの結果です。
このエネルギーの動きは実戦で経験していくとよく分かりますが、とても深いです。
ただ、単にこのチャートパターンを覚えれば良いのではなく、なぜ、このような波形になっているのか、投資家・投機家心理を読むことが大切です。
このように、株価や為替レートは、波動を形成しながら価格が推移していきます。
一目均衡表を戦略に取り入れる場合は、トレードそのものに慣れてきた頃におすすめします。
扱いがやや複雑なので。
一目均衡表のメリットは、通常相場の動きに合わせてトレードをする場合が多い中で、
「予測をする」という要素を入れてトレードをすることができる点です。
経験を重ねれば、一目均衡表で売買タイミングを掴むことができます。