トレンドが発生している時は、移動平均線を使った売買手法は機能します。
例えばゴールデンクロスやデッドクロス、パーフェクト・オーダーなどですね。
しかし、トレンドが終わり、レンジ相場(保ち合い相場)になるとクロスが頻繁に起こって売買サインとして機能しずらくなる場合があります。


図のように、上昇トレンドを狙って比較的大きい値幅を取りに行くトレーダーの場合、トレンド相場で利益を上げる事はできるが、大利を狙うあまりトレンドを期待しがちです。
しかし、トレンド相場を期待するあまり、既にトレンド相場が終わりレンジ相場に入っている事に気づかない事があります。
この時、ゴールデンクロスやデッドクロスで、トレンド発生を予測してエントリーをしますが、レンジでの値動きなので損切りポイントに引っかかってしまいがちです。
クロスが頻発するということは、売りエントリーのサイン・買いエントリーのサインが頻発するということです。
ダマシも多くなり、レンジ相場で移動平均線を頼りにエントリーしていると損失が増える可能性が高くなります。
すると、トレンド相場で得た利益も、レンジ相場で次第に減らしていき、状況によっては利益をゼロにしてしまうかもしれません。
特に初心者の頃は、トレンドが継続していると思ったら、
いつの間にかトレンドは終わりレンジ相場になっていた、という事がよくあることなのです。
対策その1 レンジ相場ではエントリーを控える
初心者の頃は、レンジ相場ではエントリーを控えて、新たなトレンドが生まれるのを待つのも手です。
レンジ相場ではこのように値幅が小さく、価格が上がったり下がったりします。
しかし、いつまでもレンジ相場が継続する訳ではありません。
この段階でエネルギーを貯めて、ある時にボラティリティが高まり新たなトレンドが発生します。
先ほどのチャートで上昇トレンドが発生する瞬間をもう一度見てみます。
目線によりますが、今回のチャートでは短期トレンドとして解説をしています。
トレンドが発生する時、よくあるのがレンジ相場などで次第に値幅が小さくなって、エネルギーが蓄積していきます。
次に、エネルギーが解放されるかのように上下のどちらかに勢いよく値が動きます。
エネルギーが解放される時、大陽線が発生し、短期〜長期トレンドが生まれます。
これが、トレンドが発生する時によく見られるパターンです。
下降トレンドでも同様のパターンが見られる事がありますね。
トレンドラインなどをブレイクすると、流れが変わったと考える投資家・投機家のエントリーが増え、その勢いは増してパーフェクトオーダーのようなパターンを形成することもあります。
参考 → 【移動平均線】パーフェクト・オーダーでエントリーの機会を探る
いずれにしろ、レンジ相場でエントリーを控えることができたら、新たなトレンドが発生するその時をじっくり待ってエントリーするのが良いです。
トレンドが発生して利益を確定したら、押し目買いや戻り売りで再度エントリーするのではなく、1トレンドにつきエントリーは一回にするなど、売買ルールを作るのも有効です。
すると、相場を俯瞰して見る事ができるので、トレンドの終焉→レンジ相場→トレンド発生という流れを感じやすくなります。
対策その2 レンジ相場では違うテクニカル指標を使う
テクニカル指標は一長一短で、どれもずっと機能するものではありません。
これはどの相場でも共通です。
どんな時も移動平均線のサインを使ってエントリーをしたいと考えてエントリーをすると、誤った売買をしてしまいます。
トレンド中に良く機能するもの、レンジ相場で良く機能するもの、それぞれ特徴があります。
慣れてくればレンジ相場でもトレンド中でもエントリーをすることもできますので、
その場合は、いくつかのテクニカル指標を使うことで対策をしていくのは有効です。
トレンドが発生している時は、移動平均線などを使い、レンジ相場ではそれらの使用を控え、その他のテクニカル指標を使うことは有効です。
対策その2については、違うテーマになってきますので、以下でお話をします。