移動平均線は、様々なトレード手法に応用できます。
その中で、逆張りでトレードをする場合に、
移動平均乖離率を使う方法があります。
○用語解説 – 逆張りとは、価格が向かう方に逆らってエントリーすること
移動平均乖離率とは
移動平均乖離率は、その名のとおり移動平均線からどれくらいローソク足が離れているのかを視覚的に見ることができます。
ローソク足が移動平均線から乖離していると、伸びたゴムがパチンッと戻るように、移動平均線に向かってローソク足が動く可能性があります。
その反転するタイミングを狙って、逆張りトレードをします。
補足:MT4で移動平均乖離率を使う場合の設定方法
MT4でも移動平均乖離率を使うことができます。
ただ、標準では入っていませんから、インジケーターを追加してくださいね。
MT4用移動平均乖離率のインディケーターのダウンロード先
パラメーターの入力をします。
①MA_PeriodはMA期間のことですね。
標準で21SMAになっています。多くの人が21SMAを使っていますから、デフォルトのままでもOKです。
②続いてMA_Methodですが、0=SMA 1=EMA 2=SMMA 3=LWMAとなっています。
③Applyについてですが、一般的には乖離率の計算は終値で行っているので、0=CloseでOKです。
移動平均乖離率で実際にトレードをする
移動平均乖離率を戦略に取り入れる場合、移動平均線から乖離しているポイントで逆張りのエントリーをします。
これは、ドル/円(1時間足)のチャートです。
図のようなタイミングで乖離しているポイントで売り買いを繰り返します。
この時、エントリーした方向に動いても勢いがない場合は、損益がトントンか少し利益が出ているところで決済をしてしまいます。

他にもいくつか例を見てみます。
この例では、エントリーした方向と逆に動いた場合は、あらかじめ決めておいた損切りポイントで決済をしています。
移動平均乖離率を使った逆張りトレード手法は、100%勝つ為のものではありません。
ですから、移動平均乖離率を根拠にエントリーをした方向と逆に動いた場合は、迷わず損切りポイントで決済してしまう事が大切です。
以下は、日経平均チャート(1時間足)に移動平均乖離率を適用したものです。
為替同様、有効に機能している場面がある事が分かります。
これまで紹介した手法は、できるだけ乖離している値のタイミングでエントリーをしていました。
他にも、移動平均乖離率を使ったエントリーで信頼性を高める手段として、移動平均乖離率にラインを引いてエントリー・決済をする方法があります。
以下は、ドル/円チャート(1時間足)です。
まず、移動平均乖離率に図のようなライン(マゼンタ色)を引きます。

これで、移動平均線のエントリー・決済ポイントの判断がしやすくなります。
いつでもこのようなラインが引けるわけではないのですが、時々この手法が機能する場面が出現します。
ラインを引くことで、そのラインに乖離率が触れるor周辺まで来たときにエントリー・決済のタイミングを見極めることができます。
この手法では、上下のラインが狭まり、最後には消失するポイントがあります。
その付近では、新たなトレンドが発生するなど、なんらかの大きな値動きがあるケースもあり、このラインを使った手法が機能しなくなる場合があります。
今回の場合も、消失ポイントで上昇トレンドが発生しているのが確認できます。
その場合、ラインを根拠にエントリーをしていたのに、エントリーの逆を行ってしまった場合は、あらかじめ決めておいた損切りポイントで迷わず決済をしてしまいます。
ここで、上昇トレンドが発生したという事は移動平均線を使った手法が有効になりますから、移動平均乖離率から移動平均線をメインにトレードの判断材料にするのも良いです。
今回の場合も、トレンド発生後は紫色の移動平均線(200SMA)重要な支持線とし、水色(5SMA)とオレンジ(10SMA)のクロスなどがエントリーポイントになっているのが分かります。
どのインディケーターにも言えることですが、永遠に勝ち続ける手法は存在しません。
この移動平均乖離率にもメリットとデメリットがあり、それらを理解して実践で使う事が大切です。